演技と自己解放。感情をさらけ出して表現する。

演技をする上で必要な自己解放とは?

今回は演技をしていく上で
避けては通れない自己解放について書いていきます。

 

自己解放とは、いわば
「普段から身にまとっている鎧を捨てて、ありのままの自分を表現する」
という事です。

ありのままの自分を表現していくことにより、
よりリアリティあふれる演技ができるようになります。

 

役者として演技をしていくということは、
「自分の強い部分、弱い部分、恥ずかしい部分といった、全てをさらけ出す事」
が必要です。

そのためには、感情を全面に出し、
より大きな表現ができるようにならなくてはいけません。

 

感情表現とは、いわゆる『喜怒哀楽』のことを言います。

喜怒哀楽ですから、
明るい、嬉しい、楽しいといったことだけではなく、

「妬み、嫌悪、ずるさ、情けなさ、怒り、滑稽さ、だらしなさ、下品さ」

といった負の感情も表現していかなくてはいけません。

 

人によってはこの負の感情を表現するのが得意
という方もいらっしゃると思いますが、その他にも、

「上品さ、丁寧さ、優しさ、かっこよさ、男らしさ、女らしさ」

などの気取った感情も表現できなければいけません。

 

もちろんこれらの表現も得意、不得意という人もいることでしょう。

不得意、つまり苦手としている感情表現というのは、
あなた自身が

「そういった人間として見られたくない」

という意識が働いてしまうため一概に喜怒哀楽といっても、
全てを容易に受け入れ、的確に表現できるかは別問題となります。

これは一般の人であればそれで問題ないでしょう。

 

ですが、役者ということであれば、
そういった表現を感情を出して演じていかなければいけません。

 

役者として生きる為に必要な自分自身の感情を全てさらけ出す。

それが自己解放です。

感情をさらけ出し、演技の幅を広げる

役者として演技をする際に“やってほしくないもの”があります。

それが「外面だけの演技」です。

 

演じているキャラクターが怒っているから「怒る演技をする」
とか、
悲しんでいるキャラクターだから「泣いてる演技をする」

というのは全く持って面白くありません。

 

一見、何がダメなの?と思うかもしれませんが、
要は役者自身の心が動いていないにも関わらず、
その場面が
“怒っているシーンだから”“悲しいシーンだから”
という理由で芝居をしている演技だからです。

 

これが“段取り芝居”というものです。

段取り芝居は、決められた段取り通りに動いたり、
台詞を言う様な芝居のことで
もちろん、台本には決まったセリフ、
動きが書かれてはいるのですが、
それが顕著すぎて感情がこもってもいない動きです。

 

そうなると、セリフが棒読みとまではいかないにしても、
緩急や抑揚が無い芝居になってしまいます。

感情と身体表現、さらには思考の速度や方向が
まるで違う所に向かってしまうのです。

 

その状況でやってしまえば、
あざとい芝居ばかりになってしまい、
たとえ芝居経験の無い方でも観ているだけで、

「何と無く読んでいるだけ?」
「覚えたことをただセリフにしている?」

というふうに思われても仕方ないくらいになってしまいます。

 

怒っている演技だから大声を出せばいい。

面白い演技だからお腹から声を出して笑えばいい。

悲しんでる演技だから涙を流せばいい。

 

そういった安易な考えで「外面芝居」になってしまう原因の一つが

「自分を解放できていない」

という事なのです。

感情をさらけ出すのは恥ずかしいですか?

演技は普段の生活において、
あまり出すことのない表現もしなければなりません。

 

ですから、いざ感情を出して演技をやろうとしても

“感情をさらけ出すことが恥ずかしい”

と思ってしまうので、
キャラクターの心を感じることができず、
自分の心が動かされていない状態で演技をしてしまうのです。

 

大人になると「こうあるべき」とか「こうしなくてはいけない」
などという常識に捉われてしまい、
感情をさらけ出す機会がなくなってきています。

その結果、現実世界が「外面芝居」になっていき、
舞台上においても、
自分のありのままの感情を出す事が難しくなってしまうのです。

 

外面芝居をするという事は、
波風立てずに社会を生き抜く方法でもあるので、
現実の生活ではそれで構いません。

ですが、芝居となれば違います。

キャラクターの感情を受け止め、
なおかつ心が動かされた状態で芝居をしなくてはなりません。

 

そのためにも自分を解放し、
感情をさらけ出せるようにならなくてはいけないのです。

なぜ全ての感情をさらけ出す必要があるのかというと、
これから声優を目指すのであれば、
大きな表現ができるようになることも求められてくるからです。

 

大きな表現ができる人は、それを抑えた演技もできます。
つまり大は小を兼ねるという事ですね。

だから、大きな表現ができるように
“もっともっと大げさな表現をして”
というように
指導する方もいらっしゃったりします。

役になりきるということ

どんな感情でもさらけ出せるようにしておけば、
キャラクターに応じて役者自身が、
感情の受け止め方を変える事ができやすくなります。

そうなれば、役者自身の心が動いてきますので、
外面芝居ではなく、ちゃんと感情が乗った
内側から湧き出るような魅力的な芝居ができるようになります。

 

これがいわゆる「役になりきる」ということですね。

 

役になりきる事ができたら、そのキャラクターが
まるで自分自身に乗り移ったかのような芝居をする事ができます。

それがまるで自分の性格、個性であるかのような感覚です。

 

しかし、そこでもしあなたが
解放できていない感情があるのだとすれば、
そのキャラクターとの感情に相違が生まれてしまい、
ただの「外面芝居」になってしまいます。

外面芝居になってしまえば、
見ていても面白くないですし、
なにより役者自体が演じていても楽しくないと思います。

そうなってしまうと、
その感情が芝居にも出てしまい、
見ている側にも伝わってしまうのです。

ですから自己解放とは、役者として生き抜く為に、
自分自身の感情の全てをさらけ出し、
よりリアルを追求するために必要なのです。

 

演技の練習をしていく上で避けては通れない自己解放。

はじめはなかなか感情を全面に出すことは難しいかもしれませんが、
ふっきれてしまえばコントロールもできるようになります。

 

感情の解放は

「役者自身の心が動かされている芝居」

をするのに欠かせないものですので、
是非チャレンジしてみましょう。

次回は感情を解放する方法をお伝え致します。

 

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