演技の方向性がわからなくなってしまった!?ダメ出しを受けた時の捉え方

今回はある程度演技の勉強をしていった先に
ぶつかる壁についてお話したいと思います。

 

演技レッスンを受け、次第に慣れてきて演技がこなせるようになってきた時、
ふと、どうやって演技をしていけばいいのか、
その方向性がわからなくなってしまうことがあったりします。

 

こういった事例はオーディションを受ける前だったり、
養成所などの進級試験を控えている時期に来たりすると
悩みを持つ人が多くなってきます。

自分の演技がわからなくなる!?

演技の基礎を身につけていきますと、
自分が得意とするキャラはどんなものなのか?
どんな声が出せるのか?
など発見も多くなってくると思います。

 

ですが、レッスンを受けていくうちに
講師の方からダメ出しをもらっていくと思いますが、
そのダメ出しで自信喪失してしまうということもあったりします。

 

もちろん、自信喪失させるためにダメ出しをしているわけではなく、
よりよい演技ができるよう、さらに成長していってもらいたい、
より向上していってほしいから、

その人向けに弱点を指摘したり、得意分野があれば
それをもっと伸ばせるようにするための助言をしています。

 

ただ演技というものはそれぞれ感じ方も異なり、
表現の世界においてこれが100%正解というものはありません。

だから、ある人からはこれがいいと言う人もいれば、
それはダメという人もいたりします。

 

こういった正解というべきものが明確でないからこそ、
演者からしてみれば、その達成感を味わうことが難しく
結局自分の演技はどうなのかわからなくなり自信を失ってしまう。

 

基礎練習の頃は、滑舌が良いか悪いかというのは
自分が実際にしゃべってみればわかりますし、
できていなければできるように練習すればいい。

腹式呼吸ができないのならできるようにしていき、
しっかりとハリのある声を出せるようにする。

 

そうすることで安定した声量が出せるというような、
明確な課題が見つかり、その目標を達成するために
がむしゃらに練習していけばおのずと成長していきます。

 

こういった練習をすることで
自分が成長していくというのがわかりやすい時は
モチベーションもどんどん上がっていきます。

自分はプロになるんだ!毎日練習していくぞ!

というような意識も生まれ
もっともっと練習していきたいという状況になっていきます。

 

ですが、その基礎練習の先にある

「表現をしていくこと」

についてはこれが正解というものがないのです。

 

演技をした際に「こうした方が良い」
というような指摘を受けたりしても
自分の感覚を頼りにやるしかありません。

 

ですから、いざもう一度やってみたら
「それでいいよ」「さっきよりずっといい」
というふうに言われたりはしますが、

実際のところ、
さっきとどう変えたから良くなったということは
完全に理解できてなかったりします。

 

もちろんそういった表現を技術的にカバーすることも可能ですが、
その技術を磨くのには相当な時間と経験を要することになるでしょう。

 

ですからひとまずは、自分自身の感性で表現していく
ということに委ねられてしまうのです。

表現するということは、
人によって受け止め方が異なっており、
人によって課題も違ってくるのです。

 

だから全員が全員、同じ課題をもっているわけでもない。

やるべきことが人それぞれ違うからこそ、
表現の練習というのは難しいとされる所以なのかもしれません。

 

だからこそ、困難を乗り越えた先に待っている達成感は
めちゃくちゃ大きいものになっていくでしょうね。

ダメ出しというのは評価されているという証です。

“ダメ出しを受けないように”

というふうに思っている人もいるかと思いますが、
そういった考えを持つ必要はありません。

 

なぜなら、ダメ出しを受けたほうが改善点も見つかりますし、
演技に完璧なんて存在しませんから、
ただ「素晴らしい」と言われているだけでは何も成長はありません。

 

その演技が本当に素晴らしいものだとしても
よりよくするためにアドバイスできることはありますし、
もっと良い演技ができるよう努力を惜しむ必要もありません。

何事も前向きに捉え、成長するための指導を受けていると思いましょうね!

演技に点数をつけることはできない

学校であれば
国語、数学、理科、社会、体育などの教科があります。

ある程度学習を進めていくと
どれだけ理解しているかを確認するためのテストがあります。

そこで100点満点中何点とれたのか
というふうに数値化し、成績の優劣をつけていきます。

 

ですが、演技に関していえば
「点数化」できるものではありません。

人それぞれの嗜好、感じ方で判断される内容が変わります。

 

そのため学校のテストであったり競技スポーツの様に、
数字で優劣がつけられるような
誰もが納得する結果が得られるものではない
ということはお分かりいただけますでしょうか?

 

テレビアニメやドラマを見ていて
こういった経験はあったりしますでしょうか?

“あの人よりもこっちの人を配役にした方が良いのに・・・”

“このキャラクターこんな声なのか!?イメージと全然違う・・・”

こんなふうに疑問を感じたことがある人は多いはず!

 

もちろん配役に関しては諸事情あったりと
いろいろな理由がありますが、
好みは人それぞれですからそれに対する評価も人それぞれ
だということはわかりますでしょうか?

 

ただ、表現の中にも、相対評価のほかに絶対評価はありますから、
テストの点数と同じように誰もができていないと困るものもあります。

 

それが発声の基礎や滑舌といったものです。

50音の読みであったり、拗音や鼻濁音、
イントネーションといった、
表現者として出来て当たり前の部分が疎かであれば、
ダメ出しを受けてしまう率は高くなるでしょう。

 

これらは出来て当然のことだし、
その上で基本事項と認識しなくてはいけません。

演技以前に基礎ができないと話にならない

例えば朗読やナレーションにおいては
言葉をはっきり伝える必要がありますから、
何を言っているのかわからないような話し方では話になりません。

 

ナレーションを滑舌がよくない声優さんが読んでしまっては
聞いている人たちは困ってしまいますよね?

当然、聞いている人達はその内容が書かれている台本を
持っているわけではありませんから、
何を話しているのかわからない話しかたをしてしまえば、
内容を理解することができないでしょう。

 

こういった情報を正確に伝える必要がある番組
またはラジオやCMといったあたりは
正確に言葉を伝えられるかが重要視されています。

 

ところが、これが人間(もしくは擬人化された何か)

を表現する際は話が変わってきます。

 

人間であれば、誰もがみんな滑舌よく正確に話しているわけではありません。

演技としてわざと基本部分を甘く表現することもありますよね?

 

または演技としてわざと声を枯らしてしゃべったり、
ひどい声を出すこともあるでしょう。

あえて滑舌を曖昧にして
何を言ってるのかわからないように話すこともあります。

 

つまり、表現には

「絶対にやってはいけないこと」

というのはありません。

 

クセのある言い回しや声を裏返らせてしゃべったりしてもいいのです。

 

ただ、演技の基礎をこれから身につけようとしている方には
まだこれらのことは実践してほしくはないのですが、

ある程度できるようになってくれば
あとはどう表現していくのかは
個々の役者が持っている持ち味をつけたしていくことになります。

 

人間観察をしていけばわかることですが、
いろいろなしゃべり方をしている人が存在します。

そういった人の中には、
声優の基礎を身につけていった際に
「これはやっちゃダメだよ」と言われるような
喋り方をする人もいるわけです。

基礎を身につけた上で型にはまらない演技を心がける

演技の基礎を身につけた後、
プロの声優になっていった際に伝えておきたいことが、
今回書いたことです。

 

よくやってしまうありがちなこととして、
良くも悪くもないただ無難な演技をしてしまう

「小さくまとまってしまうつまらない演技」

になってしまう人がいるのです。

 

こういった演技は
下手ではないのですが、面白みもないのです。

 

特に意外性もなく、無難にやっているだけでは
プロとして現場に呼ばれる声優になるのは難しくなってしまいます。

直球を投げたり、変化球を投げたり
演技の幅を広げていってほしいのです。

ダメ出しにおける演技の捉え方

ということでダメ出しをもらった際は、
人によって表現の好みは違うということを頭に入れておき、
もしそれが基本部分のダメ出しであれば
改善するよう修正していきましょう。

 

逆に表現(演技)の部分であれば、
違うアプローチができるような挑戦をしていきましょう。

否定された演技は
ひとつのあなたのキャラクターとしてストックしておき、
今度は別のキャラクターを演じられるような
表現を身につけるというような感じです。

 

プロの現場に出ますと、事前に自分で作ってきた表現が
正解にならないということはよくある事です。

 

監督さんから

「ここはその表現と違った演技でやってください」

と言われた時に違う引き出しを持っていれば、

「それならこっちの表現でやってみるか!」

というような柔軟な対応が取れるわけです。

表現に絶対はないので固める必要はない

今日はこんな演技で固めたというような
ガチガチに縛った演技ではなく
むしろ相手の言葉を受けてリアクションを返す
というような対応も出来るようにしましょう。

 

表現に絶対はありませんから
言葉のキャッチボールができるようになれば尚更いいですね。

 

これが声優の醍醐味といったところです。

お仕事毎にキャラクターを代えられる
とてもやりがいのある面白い仕事であることは間違いありません。

 

だから、ダメ出しをもらった時の対応として、
「それならこういった表現でやってみよう!」
という切り替えをしていくことを理解していただけたら嬉しいです。

 

もし、この“切り替え”がわからない人は
街に出て人間観察をしてみましょう。

たくさんの人を見て、どんな動きをしているのか
どんな喋り方をしているのか、見てみましょう。

基礎を身につけた先に立ちはだかる壁を乗り越えていこう

演技の勉強をしていたらダメ出しは必ずありますから、
それで「自分には演技センスがないのかなぁ」というふうに思うのではなく、
それを糧にしてより高みを目指して欲しいのです。

 

そりゃ続けていけばある時ふと、モチベーションが落ちて
心が折れてしまいそうなくらいになることもあります。

 

それでもまた何事もなかったかのように
貪欲に演技に取り組んで欲しいのです。

「どうして声優を目指しているのか?」

「どうして声優という夢を掴もうと努力しているのか?」

その思いが明確であれば、
あなたがどんな状況であったとしても
「あきらめたくない!」
と思うはずです。

その忘れかけているであろう本質を思い出してください。

 

このことはプロの声優だって同じことです。

プロの声優でも本番前は緊張します。

 

プロとしてやってきたことに対する自負はありますが、
それが自信があるかと言われたら
そうでもないと思っている人も少なからずいらっしゃいます。

 

ですが、そういった状況でも物怖じすることなく、
堂々とやってしまうのです。

自信がなく、暗い顔で演技をしていたら、
見ている人達も嫌な気分になるだけですから。

 

だから笑顔は常に意識しましょう。

作品にもよるかもしれませんが、
演技を楽しむということを笑顔で表現することが出来たら、
一歩前進できます。

 

特に声優初心者の方はこのことを忘れずに!

これらの考え方を是非持っていただきたいのです。

 

『演技は楽しい!』

これこそが究極です。
これだけは、絶対に忘れず心に受け止めてください。

 

⇒《合わせて読みたい》役作りが苦手。キャラクターを作り上げるために必要なこと。

⇒《合わせて読みたい》役作りの基本。台本から読み取りキャラクターを演じていくこと

⇒《合わせて読みたい》やってはいけない台本の読み方。初見で台本を見て陥りがちなこととは?

⇒《合わせて読みたい》声優学校・養成所という選択肢

⇒《合わせて読みたい》腹式呼吸と胸式呼吸の違いを理解しよう

 

無料オンライン講座やってます!

声優になるにはどういったことが必要なのか?

オンライン講座(メルマガ)でさらに具体的に説明しています。

業界の現場で仕事をしていた経験を踏まえて、
未経験、スキルゼロ、実績ゼロの状態から
プロとして活躍できるレベルまで、

声優養成所や専門学校に行かなくとも、
身につけることができる質の高い情報をお伝えします。

登録は無料ですので、ぜひ登録してみてください。

声優に必要な基礎的ノウハウなど
を詰め込んだ目から鱗が落ちる情報を
オンライン講座の中で受け取ることができます。

⇒ 無料オンライン講座に登録する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です